ケーブル局シェアがさらに拡大


新シーズンの番組編成とCMの予約販売が行われる米テレビ界の重要イベント「アップフロント」を目前に控え、ケーブル局の好調さがより鮮明になった。ニールセン社によると、今年1-3月期におけるベーシック・ケーブル局のプライムタイム(午後8-11時)のシェアは昨年同期比4%増となる58.6%と好調だった。逆に4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)系列の地上波テレビ局は、昨年同期比5%減となるシェア34.8%と、シェアの低下傾向が続いている。


ケーブル局の中で最も元気なのが、米メディア企業NBCユニバーサル傘下の「USAネットワーク」。世帯視聴率、個人視聴率双方で首位の座を独占した。同局のプライムタイムにおける平均世帯視聴者数は昨年比12%増となる326万人だった。そして、2位につけたのがニューズ・コーポレーション社傘下のニュース専門局「Foxニュース・チャンネル(FNC)」。平均世帯視聴者数は、昨年同期比25%増となる226万人を獲得した。以下、3位には子供向け専門局「Nick at Nite」、そして、タイムワーナー傘下の「TBS」、映画・ドラマ専門局「A&E」などと続いた。ケーブル局は、トップ40局のうち13局が昨年同期比、二桁台の視聴率の伸びを見せた。

ただ、ケーブル局が米テレビ界を凌駕したわけではない。テレビ広告局(TBA)によれば、3月最終週の人気テレビ番組100入りしたケーブル局番組はたった2番組。ネットワークのヒット番組「アメリカン・アイドル」(Fox)や「ダンシング・ウィズ・ザ・スター」(ABC)などに匹敵する番組はケーブル局には見当たらないことを挙げ、依然としてネットワーク番組がテレビ広告の主舞台であることを強調している。