スーパーボウルCM販売が足踏み状態


アメリカン・フットボール王座決定戦で、米テレビ界最大のイベント、そして、桁外れのCM料金がつくことで知られるスーパーボウルが苦戦している。金融危機に端を発した米経済の落ち込みの影響で、9月以降、同競技のCM予約販売がぴったりと止まっているからだ。ワシントン・ポスト紙などによれば、スーパーボウルの放送権を保有するNBCネットワークは、試合中継番組中に67スポットのCM枠を用意しているが、これまで売れた枠は全体の88%に相当する59スポット。85%が売れた9月以降、ほとんど動きが止まっている。

すでに、自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)や米国では宅配便の代名詞になっているFedEx(フェデックス)など、スーパーボウルCMの常連だった大手企業がスポンサーから撤退することを明らかにしている。30秒スポットCMがこれまで最高値となる3億㌦(約2億8,500万円)で取引されている模様だが、業界内からは、NBCが相当の値引きに応じなければ、完売が難しい状況になると指摘する声も上がっている。

しかし、NBCスポーツ広報はAP通信などに、「多数の優良企業から、引き合いがきている。企業は、経済不安な時こそ、消費者にブランド名を強く植え付けるべきではないか」と強気の姿勢を崩していない。従来通り10枠のスポットCM放送を決めたビール・メーカー大手アンハウザー・ブッシュ社は、「昨今の経済状況を鑑みれば、どのような広報活動が妥当かどうかを見極めることは難しいし、勇気のいることだ。ただ、企業にとってこういう時(不況下)こそ、ポジティブなイメージをアピールすることが肝心だ」と述べている。ちなみに、スーパーボウルは来年2月1日、フロリダ州タンパ市で開催予定。