スーパーボウル視聴者数が米TV史上最高記録


米スポーツ界そしてテレビ界の最大イベントである第44回スーパー ボウルが7日、フロリダ州マイアミで開催された。ニールセン社の速報によると、平均視聴者数(推定)が1億650万人に達した模様で、米テレビ史上の最高 記録を樹立した。これまでの記録は、1983年に放送された「マッシュ」の1億597万人。27年ぶりの記録更新となった。ちなみに、マッシュは米陸軍野 戦病院を舞台にしたコメディー・ドラマ。


試合の模様はCBSネットワークが、米東部時間午後6時半から9時45分まで全国向けに放送したが、平均視聴率も46.4%(シェア69%)と、23年ぶりの記録となった。スーパーボウルはここ数年、毎年視聴者数や視聴率が前年を上回る傾向が続いている。


試合は、ナショナル・カンファレンス(AFC)王者のコルツを、創設43シーズン目で初出場を果たしたナショナル・カンファレンスの王者セインツが31対 17で破り初優勝を果たした。セインツは5年前のハリケーン「カトリーナ」の被害の傷跡がまだ残るルイジアナ州ニューオーリンズ復興の象徴としてファンの 支持を集めたほか、2度目のチャンピオン・リング獲得を目指したコルツの名QB(クォーター・バック)ペイトン・マニング選手の活躍ぶりにも大きな注目が 集まり、高視聴率につながる要素となった。


スーパーボウルで放送されるCMの料金は世界一の高値がつくことでも知られるが、今年は30秒CMの料金が、広告不況にもかかわらず、240~280万㌦で取引された模様で、米メディア界に活気を与えている。 ちなみに、昨年の平均単価は300万㌦とされている。


また、スーパーボウルのCMは、話題作に富んでおり、広告業界ばかりかメディア業界全体からも注目を集めるのが常。同イベントで放送されるCMは、最も高 い視聴率を獲得することでも知られている。今年のテーマは、ノスタルジー。数多くのスポンサーが、往年のテレビ番組スターなどを起用したCMを制作した。 不況で生活苦を強いられる市民が多い中、1億人を超えるマス・オーディエンスにアピールできることを念頭に、なじみのあるスターや動物などを起用したリス クの少ないCMを広告主が採用した(ニューヨーク・タイムズ紙)。