ソニーとグーグルがネットテレビで提携


米インターネット検索大手、グーグルとソニーが5月20日、テレビとインターネットを融合させた「インターネットTV」を今秋発売すると発表した。全国の米家電量販店大手「ベストバイ」で発売されるが、想定価格などは発表されなかった。ソニー側は、「ソニー・インターネットテレビ」と発表しているが、米報道はこぞって「グーグル テレビ」と呼んでいる。テレビをパソコン代わりに、インターネット上の情報を検索したり、投稿ビデオやテレビ番組、さらには映画などのコンテンツをテレビ上にダウンロードして視聴することができるという。


広告業界誌「アドバタイジン・エイジ」はグーグルテレビについて、「居間のテレビとインターネットの世界の壁を取り除き、双方向性に富んだ新たなプラットフォームをつくりだすことで、広告業界に大きな影響を与える可能性を秘めている」と解説している。インターネット関連調査会社「eMarketer」の上級アナリスト、ディビッド・ホーラマン氏も、「インターネット広告市場でグーグルと関係を深めている広告主が、“グーグルテレビ”をきっかけに、インタラクティブ広告を加速させる可能性を秘めている」と述べている。


IT関連コンサルティング会社「IDC」のアナリスト、ジョナサン・ガウ氏は、提携がソニーにもたらすメリットとして①短期的には他テレビメーカーとの差別化ができる②グーグルから検索広告収益の分配を得るなど、新たな収入源を確保できる③グーグルから強力なソフト提供を受けることができる、などを挙げている。


一方、ニューヨーク・タイムズ紙は、グーグルが抱える課題として、「インターネットテレビへの関心が薄い米消費者の心を掴むこと」「ソニー以外のテレビメーカーに同プラットフォームの採用を促進すること」「ソニー・インターネットテレビの販売を、ベストバイ以外に拡張しなければならない」などを挙げている。

また、米テレビ世帯の9割がケーブルテレビ(CATV)や衛星放送が提供する番組送信サービスを利用してテレビを視聴していることを考えれば、グーグルテレビの本格普及にはこれらのサービスとの連携が必須だが、いまのことろ提携に名乗りを上げているのは衛星放送ディッシュ・ネットワークのみに留まっている。