タイム・ワーナー新会長がVOD拡大を強調


メディア企業大手「タイム・ワーナー」の最高経営責任者(CEO)に就いたばかりのジェフリー・ビューケス氏が、傘下のインターネット事業部門「AOL」の分離や、CATV事業「タイム・ワーナー・ケーブル」の保有株式の一部売却を検討するなど、果敢なリストラ案を発表している。そのビューケス氏がこのほど、傘下のケーブル局に本格的なVOD(ビデオ・オン・ディマンド)サービスを展開する方針を明らかにした。

ビューケス氏は業界アナリストとの電話会見の中で、「我々メディア関係者はVODサービスを画期的なサービスに変えていかなければならない。私は長年に渡って、すべての番組をブロードバンド(高速大容量)通信上のみならずテレビ上でもVOD提供すべきだと確信してきた。生活者・ネットワーク双方が利益を共用できるビジネスプランだ」と語り、タイム・ワーナーがVODサービス分野で指導的な役割を果たしていきたいとの立場を強調した。ビューケスによると、米メディア業界が長期的な繁栄を図る際に、VODサービスが中心的役割を果たすことになるという。

VODについては、「従来型のテレビ視聴そのものを否定することになり、テレビ業界にとって死活問題になる」などと懸念する声があるが、ビューケス氏は、「VODがテレビ放送を侵食するとは思わない。それどころか、さらなるテレビ視聴を誘導し、その結果、テレビ広告の増大にもつながるはずだ」と主張している。