タイムズSQニオバマ大統領の巨大広告出現

米ニューヨーク繁華街タイムズ・スクエアにオバマ大統領の写真を使った巨大広告が1月6日に出現、話題になっている。同屋外広告を掲載しているのは米衣料品会社「Weatherproof Garment Company」。昨年11月、オバマ大統領が中国を訪問した際に訪れた万里の長城でAP通信が撮影した写真を大きく引き伸ばしたものを使用している。オバマ大統領が同社製の上着を着ていたことに着眼した。写真には同社名とともに、「格好いいリーダー(指導者)」という宣伝文句もついている。


ところが、オバマ大統領の許可は受けておらず、ホワイトハウスは、「大統領やその家族の名前や肖像を商用に使うことは認めないというのが長年の方針だ」とし、即刻撤去を申し入れた。AP通信には写真の使用料を支払った模様だが、AP側は、「写真使用には、ホワイトハウスから許可を受けること、という条件があるにもかかわるず、この条件は満たされていない」とするコメントを発表している。


Weatherproof社のフレディー・ストールマック社長は、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに、ホワイトハウスから事前に許可を受けていないことを認めながら、「オバマ大統領が当社の製品を支持しているなどとは一言もいっていない。ホワイトハウスと仲たがいになることを望んで強いるわけではない」と述べている。著作権に詳しい弁護士は、同紙に対し、「事前にオバマ氏から許可をもらっておく、というのが常識だが、公の人が肖像権をどこまで主張できるのか、憲法で保障されている表現の自由がどこまで適応されるのか、実は解釈が非常にあいまいなところもある」と説明している。


ホワイトハウスの正式な抗議もあって、広告は22日頃までには撤去される模様で、現職大統領がファッションモデルに使われる極めて異例な試みは短期に終わりそうだ。しかし、広告業界からは、「すでに、Weatherproof社に十分な広告効果をもたらしたのは間違いない」という声が上がっている。