タイムワーナー増収減益、ニューズは増収増益


米メディア大手が4~6月期決算を次々に発表しているが(先週号概報)、CNNテレビなどを傘下に置くメディア・娯楽最大手タイムワーナーがこのほど発表した決算によると、インターネット事業部門であるAOLの不振などを受けて、純利益が前年同期比26%減少となる7億9,200万㌦(約871億円)となった。売上高は5.2%増の115億6,000万㌦(約1兆2,716億円)だった。同社は不振の続くAOLを2009年までに分離する計画を明らかにしているが、米経済紙ウォールストリート・ジャーナル紙などによると、ヤフーやマイクロソフトを相手にAOL売却の可能性を打診している模様。

一方、有料チャンネルHBO部門やCNNなどを配下におくターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS)からなるテレビ部門が、売上高8.7%増、純利益18%増と好調なほか、映画部門も好調ため、これらコンテンツ事業に経営の重点を置き、低迷を続ける株価の上昇を目指すことになりそうだ。同社はすでに、ケーブルテレビ(CATV)事業部門であるタイムワーナー・ケーブルの分離を決めている。

ところで、世界のメディア王の異名をとるルパート・マードック氏率いるメディア大手ニューズ・コーポレーションが発表した同期決算によると、売上高は前年同期比17%増の85億9,000万㌦(約9,450億円)、純利益は27%増の11億3,000万㌦(1,243億円)を記録した。

地上波放送部門が視聴率低迷に伴う広告収入の伸び悩みなどが響き不振だったが、ニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」が好調だったほか、ヒット作に恵まれた映画部門や衛星テレビ部門の堅調さが全体に貢献した。