ティーンもラジオ・ファン

「ラジオの聴取者は高齢者」という固定観念が米国にはあるが、「若者も熱心な聴取者」という調査結果がこのほど明らかになった。ニールセン社が発表した世界の十代の若者(以下、ティーン)を対象に行った調査結果によると、ティーン全体の16%が「音楽はラジオで聴く」と答えたほか、音楽の聴取手段としてラジオを2番目に挙げた若者も21%に上り、彼らにとってラジオがいまだに重要なメディアであることが明らかになった。


ラジオ聴取の調査にあたる「アービトロン」社の調べでは、昨年における12~17歳の若者の90%が週に一度はラジオを聴くと答えた。18~23歳の若者層では93%と、年齢があがるにつれて、週に一度はラジオを聴く人が増えることがわかった。大学生では95%だった。


ところがラジオ業界が喜んでばかりいられない結果も出た。ティーンの間で圧倒的な人気があるのは、アップル社のアイポッドに代表されるMP3プレーヤー。音楽はMP3プレーヤーで聴くと答えたティーンは全体の39%にのぼった。また、パソコンで音楽を聴くと答えた人も33%と少なくなかった。

しかも、カーラジオで音楽を聴くと答えた若者も、「乗っている車が古く、MP3プレーヤーが使えないから」などと答えており、「技術的に可能な環境がそろえば、若者がラジオよりデジタル機器を選択する傾向は今後益々増えていくことになりそうだ」と指摘している。また、ティーンによるラジオ聴取時間そのものは減少している模様だ。同調査によると、2007年には週平均19時間32分だったものが、2008年には5%減少となる18時間30分となっている。ところで、25~54歳層における2007年のラジオ聴取習慣を見ると、大卒の人では週平均15時間45分だが、高卒では21時間15分と増えることも明らかになった。