『テレビ」が淘汰され「インターネット」に


米市民にとって一般的な媒体手段は、「テレビ」から「インターネット」に移行する。 1994~1997年に米連邦通信委員会(FCC)の委員長を務めたリード・ハント氏はこのほど、ニューヨークのコロンビア大学で講演し、テレビ放送の “最も一般的な媒体”としての役割が終焉を迎えるとの考え方を強調した。


ハント氏によれば、米国にとって唯一の一般的媒体としてブロードバンド(高速大容量)通信を普及させるべきだとの結論に達したのはFCC委員長就任後まも なくにあたる1994年。その流れは現FCCが、3月16日に発表した「ブロードバンド整備計画」にも継承されていると指摘した。


ハント氏は、インターネットの優位性について、①インターネットこそが、米国の価値やテクノロジーの世界的普及のための経路を提供できる唯一の媒体②イン ターネットは、映像ばかりかテキスト配信も可能。双方向性も兼ね備え、他媒体に比べ根本的にリッチな媒体③インターネットは、言語や人種の違いを超え、何 らの規制も受けない、多様性のある媒体になり得る唯一の媒体、などと理由を挙げている。また、ハント氏によれば、テレビ放送は民主主義にとって脅威になる 可能性があるが、インターネットは民主化を促進するという。


ハント氏はさらに、昨年6月に実施された地上波テレビのアナログ波からデジタル波への移行について言及、「政府がコンバーター購入のためのクーポン券を配 布するなど、いまだに地上波放送の促進に努める姿を見て、驚きを禁じえなかった。ブロードバンド・サービスへの加入を補助するクーポン券をもらったほう が、市民のためになった」などと述べた。