ディズニー、男子向け専門局をスタート

米メディア・娯楽企業大手ウォルト・ディズニー社がイメージチェンジに乗り出した。同社が傘下に置く地上波テレビネットワーク(ABC)やケーブル局の視聴者に占める若い女性層の割合が圧倒的に多いことは業界内では周知の事実。同社ではそれを企業ブランドのひとつにもしている。そのディズニーが13日、6~14歳男子をターゲットにしたケーブル専門局「ディズニーXD」を立ち上げた。不振を続ける同傘下アニメ専門局「Toon Disney (トゥーン・ディズニー)」の名前を変更、編成内容を一新して新チャンネルとして再スタートさせた。同局の視聴可能世帯数は7200万軒とケーブル局では最大級の規模を誇っている。

この日、ディズニーXDが看板番組として位置づけている、犯罪と戦うヤング・ヒーローを主人公にしたアクション・ドラマ「アーロン・ストーン」(月曜日夜7時)がデビューしたが、6~14歳男子層の視聴者数23万2千人を獲得、昨年同期比2.7倍となる好スタートをきった。同局では、同番組のほか、少年向けのアニメ番組なども編成する予定。ディズニーのメディア・ネットワークス部門の共同会長を務めるアン・スウィーニー氏は、「男子がよりどころに出来るもの(テレビ局)が市場に存在しないことに注目した」と述べ、新チャンネルは、女子向けで大成功している「ディズニー・チャンネル」の男子版として位置づけていることをアピールした。ディズニーでは、「ディズニーXD」と同時に、今回、男子を主眼に置いたウェブサイト開設やスポーツ専門局最大手ESPN(ディズニー系)にも少年向けの番組を編成し、グループ全体で男子層を攻略する予定。

ニューヨークタイムズ紙によると、6~14歳男子の消費者としての市場規模は世界で500億㌦(4兆5000億円)。ABCの狙いが透けて見えるが、ある市場調査によると、同年代層の男子は、ビデオ・ゲームや屋外スポーツに費やす時間が女子に比べ圧倒的に多く、テレビ視聴時間が女子に比べ少ないのが頭痛の種となりそうだ。