ディズニー映画が喫煙シーン排除へ


米メディア企業大手ウォルト・ディズニーはこのほど、同社が製作する映画から喫煙シーンを一切締め出す方針を明らかにした。同社社長兼最高経営責任者(CEO)のロバート・アイガー氏が25日、米下院通信・インターネット小委員会のエドワード・マーキー委員長宛に送った書簡の中で発表した。

アイガー氏は、書簡の中で、「今後は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ社が製作する映画からは喫煙シーンがすべて追放される。また、タッチストーンやミラマックスなど同グループ傘下の映画会社が製作する映画からもなるべく喫煙シーンが登場しないように奨励する」と社の決意を表明した。さらにディズニーでは、喫煙シーンが登場する映画を収めたDVDには喫煙の害などを説明したメッセージを収めることにした。

ちなみに、同小委員会は先月、映画が子供に与える影響について公聴会を開いたばかり。マーキー委員長は、声明の中で、「映画に登場する喫煙シーンが未成年者の喫煙のきっかけになっているケースが極めて多いことが分かっている」と述べ、メディア企業に対し、子供たちの喫煙防止運動に協力するよう要請していた。

ディズニーは娯楽産業界の中でも、「家族に優しい」ブランド名の確立に熱心なことで知られるが、昨秋にはトランス脂肪を含む不健康な食品を、同社が運営するテーマパークなどから除去している。NBCユニバーサル傘下の映画会社ユニバーサル・スタジオでは今年初め、喫煙シーンを極力少なくする方針を発表しているが、主要な映画会社が全面禁煙策を打ち出したのは同社が初めて。今後、他の映画会社が追随するかどうか注目される。