ディレクTVがBPLの採用を決定


米衛星放送最大手「ディレクTV」がトリプル・プレイの充実化を念頭に電力線ブロードバンド(BPL)の採用を決定した。米国でいち早くBPLサービスを展開した「カレント・グループ」と業務提携し、カレント・グループが提供するブロードバンド・サービスとインターネットを使った電話サービス(VoIP)をディレクTVのブランド名で提供する。

ディレクのブロードバンド担当副社長エバン・グレイヤー氏は、「これでディレクTVの加入者は、映像配信とともに、高品質で信頼性の高い高速インターネットが手軽に使えるようになる」と新サービスのメリットをアピールしている。

衛星放送はデジタル配信の強みを生かし、数百チャンネルにも上る多チャンネルを武器にケーブルテレビ(CATV)を相手に熾烈な顧客獲得合戦を繰り広げているが、弱点は上り回線。音声(電話)、ビデオ(放送)、データ通信(ブロードバンド)からなるトリプル・プレイの一括提供ではCATVに大きく水を開けられているのが現状だ。

BPLは家庭内のコンセントに携帯電話サイズのモデムを差し込むだけで、どこでもブロードバンドやVoIPが利用できるのが特徴。ディレクではカレント・グループがBPLネットワークの展開を始めたテキサス州のダラス・フォートワス地域で年末あるいは来年初頭を目標にサービスを始める予定。今後数年で同地域内の180万世帯にネットワーク網を拡大したい考えだ。

ディレクTVはトリプル・プレイ料金については未定としているが、CATVに見合うものに設定したいとしている。ちなみに、CATV大手タイムワーナー・ケーブルが提供するトリプル・プレイはニューヨーク市の場合、月額129.95㌦(約15,600円)ほど。