デジタル・コンバータの売れ行き好調


米国では2009年2月17日をもって地上波アナログ放送が停止され、デジタル化に移行する。衛星放送やケーブルテレビ事業者が提供する再送信サービスに契約していない直接受信世帯は対応を迫られているが、こうした世帯の間で変換器(コンバータ)を購入し、今使っているアナログ波のテレビ受像器を使い続けることに決めた世帯が増えている模様だ。

家電量販店のひとつ、ラジオシャックでは、コンバータ売上げが予想を上回る好調さを見せ、7~9月期の収益が昨年同期比8%増となったほか、家電量販店大手ベスト・バイでも売上げがすこぶる好調だという。ウォールストリート・ジャーナル紙は、「50ドルもだせば、今あるテレビで、何千ドルもする薄型テレビと比べても遜色ないテレビ番組が見られる」と語るオハイオ州シンシナチー市の住民の声を紹介し、「想像以上に多くの人が、完全デジタル化後もコンバータを使ってアナログ受像器でテレビ視聴を続けることになりそうだ」と分析している。

コンバータの小売店価格は50~75㌦(約5,000~7,500円)。米政府はデジタル化へのスムーズな移行のためコンバータの購入補助金として40㌦(約4,000円)相当のクーポンカードを支給している。米商務省によると、10月下旬の段階で、消費者から要請があったクーポンカード数は3,200万枚。そのうち実際に使われたカード数は1,300万枚と報告している。

米政府監査院(GAO)によれば、米国では屋上アンテナなどを使いテレビ視聴をしている世帯、いわゆる直接受信世帯が全体の15%を占めるとされている。また、衛星放送やケーブルテレビの加入世帯であっても、2台目のテレビが衛星やケーブルに接続されていない世帯は35%に上るとされている。