デジタル放送受信をあきらめた150万軒


米調査会社ニールセンはこのほど、地上波デジタル放送受信状況に関する最終報告を発表した。それによると、10月中旬の段階で、いまなおデジタル放送を受信出来ない世帯は150万軒だった。全米テレビ世帯数の0.49%に相当するという。これらの世帯は、「受信が不可能」あるいは「受信する意思がない」世帯で、ニールセンでは「最終的にデジタルへの移行対応に失敗した世帯」と結論付けている。ニールセンは、これ以上の追跡調査は行わない方針。


ニールセンによれば、デジタル放送視聴が出来ない世帯(以下、アナログ世帯)の多くが、ヒスパニック系(スペイン語を母国語とする住民)世帯。その多くが、ニューメキシコ州アルバカーキー/サンタフェ地域(デジタル放送を見ていない世帯率は2.41%)、オレゴン州ポートランド地域(同2.07%)、テキサス州サン・アントニオ地域(同1.96%)、カリフォルニア州サンディエゴ(同1.96%)、などに集中している。サンディエゴやポートランドなど、メキシコやカナダとの国境沿いの地域の世帯の中には、国境を越えた外国放送(アナログ波)を受信している世帯もあるという。


また、外国放送のほか、アナログ放送の継続を許されているローパワー・テレビ局の受信をしている世帯もあり、これらのアナログ世帯が受信できるテレビ局は平均3チャンネルとなっている。ちなみに、ローパワー・テレビ局とは、大学や教会などが地元コミュニティー向けに放送をしている局で、米連邦通信委員会(FCC)からデジタル放送への移行を免除されている。


米国の地上波テレビ放送は、当初、今年2月17日に地デジへの移行が予定されていたが、低所得層や高年齢層、さらにはヒスパニック系世帯を中心に当時約650万世帯が未対応であることが発覚、期限が6月12日に延長されていた。