デジタル放送未対応世帯、全体の1.3%に減少


米国の地上波テレビは6月12日、デジタル放送へ完全移行されたが、米調査会社ニールセン社はこのほど、移行後1ヵ月のデジタル受信状況を報告した。それによると、7月12日の時点でデジタル放送に未対応の世帯は全体の1.3%にあたる150万軒強だった。完全移行日の未対応世帯数に比べ100万軒超減少したという。同社によれば、未対応世帯のほとんどの家庭が、コンバーター(デジタル変換器)を入手するか、ケーブルテレビあるいは衛星放送などの再送信サービスに加入し、「デジタル放送へ対応するつもりだ」と答えており、未対応世帯の数は今後も確実に減少を続けると楽観的な見通しを示している。


同調査ではまた、完全移行日にデジタル放送への対応を終えた直接受信世帯の77%がコンバーターを購入したと答え、新たにケーブルテレビに加入した世帯(19%)と衛星放送に加入した(4%)を大きく上回っていることも判明した。


一方、完全移行後、テレビ局の中から、「自局の視聴者数が顕著に減少した」とする報告があったが、1ヵ月後にはほとんどの局で「デジタル変換によって失われた視聴者」を取り戻した模様だ。ニールセンでは、視聴者を失った局の多くが、6月12日以前にUHF波を使って送信していたデジタル放送をVHF波に切り替えたためと分析。こうした問題は、コンバーターの再度にわたるスキャン(信号の読み取り)や屋外アンテナの取替え作業で、ほとんどが解決したと見ている。

ところで、米連邦通信委員会(FCC)によれば、1ヵ月たった今も、ニューヨークやシカゴといった最大級のテレビ市場から受信に関するトラブルが報告されている。事態を深刻に受け止めたFCCは、技術者を同地域に派遣することを決めた。携帯電話やパソコン・ユーザーが利用する無線が干渉している可能性もあるという。