ニールセン、大学生視聴率測定開始

今年は米テレビの視聴率調査に2つの新サービスが導入されることになり注目を集めている。その一つは、ニールセン・メディア・リサーチが1月29日から始めた大学生視聴率測定。米国ではこれまで家庭を離れ寮などに住む大学生は視聴率測定対象から外されていたが、彼らのテレビ視聴時間が一日3.5時間(ニールセン調べ)にも上るというデータがあり、ネットワーク関係者などから測定の必要性を求める声が後を立たなかった。

CBSネットワークや、MTVなどケーブル局が2003年から合同で行ってきた大学生のテレビ視聴習慣に関する調査では、ABC の人気医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」の視聴率が女学生を入れると通常の視聴率比53%増となることなどが判明しており、ネットワーク幹部の間で本格的な学生視聴率測定に対する期待が高まっていた。

視聴率が底上げされれば、ネットワークにとって新たな収入源につながるばかりか、新たな若者視聴者の獲得は広告主に対する強烈なアピールになるからだ。米広告業界では、若者視聴者の中でもとくに大学生の年齢に匹敵する18~24歳代消費者を金の卵と位置づけている。「この時期に親しみを覚えた商品は一生使ってくれる」(ホライゾン・メディア)とする捉え方があるからだ。

一方、ニールセンでは今年5月から「CM視聴率測定」も開始する予定。新測定では番組中に放送された個々のCMの視聴率が明らかになるという。

米国では視聴者のテレビ、特に地上波テレビ離れが言われ始め久しいが、一連の新視聴率測定の結果次第では、ネットワークの広告媒体としての重要性が見直される可能性もある。