ニールセンが10年米メディア状況報告


米調査会社ニールセンはこのほど、「2010年のメディア状況:米視聴者とデバイス」と題した年次報告書を発表した。それによれば、米国で少なくとも1台のテレビを所有する「テレビ世帯」は1億1590万軒。1軒当たりのテレビ保有台数は平均2.5台であることが明らかになったほか、4台以上保有していると答えた人は全体の31%にも上った。


テレビ視聴時間については、高齢者であるほど長時間にわたることが浮き彫りになり、65歳以上の人では1週間当たりの視聴時間が48.9時間と全人口の平均時間35.6時間を大きく上回っている。ちなみに、2~11歳の子供は25.8時間。


またテレビ世帯の中で、ケーブルテレビ(CATV)事業者や衛星放送事業者が提供する再送信サービスに加入しテレビを見ている世帯は1億470万軒であることも分かった。内訳は、CATV加入者が5560万軒。衛星は4310万軒だった。


一方、テレビ世帯の中で、VCR(ビデオ・カセット・レコーダー)を使っていると答えた世帯は7060万軒。HDD内臓型のデジタル録画機(DVR)を所有する世帯は4310万台と急増していることも分かった。DVRについてはCMの飛ばし視聴が可能なため、広告業界などからさらなる普及を脅威として捉える傾向があるが、同調査ではDVR利用者の45%がCMを視聴していることも分かった。


テレビ以外では携帯電話に代表されるモバイル(携帯端末)利用の急増が浮き彫りになった。13歳以上で「携帯電話を持っている」と答えた人は2億2800万人。このうち「携帯電話を使ってテキスト・メッセージを活用する」と答えた人は全体の66%に上ったほか、「携帯電話でインターネットを利用する」と答えた人は8320万人に上った。


ところで、3D(3次元立体)テレビについては、向こう1年間に、「必ず購入するつもり」と答えた人が3%、「多分購入する」が3%に留まったほか、「購入するかもしれないが、しないかもしれない」が16%、「多分購入しない」が17%、「絶対に購入しない」が59%にも達し、しばらくは普及のメドが立たない状況だ。