ニールセンがDVR視聴率を初公開


番組をいったん収録して放送後日に視聴する視聴者はどのくらいいるのか。そんな疑問に答えるデータが初めて公開された。米ニールセン社がこのほど明らかにした調査結果によると、ハードディスク内臓型の番組収録機(DVR=デジタル・ビデオ・レコーダー)で人気番組を視聴する人の数が270万を超えるものもあり、CM料金の設定にも影響を与える可能性が出てきた。

調査の対象になったのは4月2日から8日までの一週間に放送されたプライムタイム(米東部時間20~23時)番組で、DVR視聴率のナンバーワンにランクされたのはFoxネットワークの人気医療ドラマ「ハウス」。同番組を放送時に視聴したいわゆるライブ・ビューイング数1902万人に対し、DVR視聴者数はその14.4%に相当する274万人だった。また、ABCネットワークの人気サスペンスドラマ「ロスト」のDVR視聴数(同週)は247万人で2位。こちらはライブ視聴者数(1083万人)のなんと22.8%にもあたり、ネットワーク経営陣にとって吉報となった。なお、ライブ・ビューイング数に対するDVR視聴率が最も高かった番組は、NBCのコメディー番組「オフィス」の31.5%。ライブ視聴者数577万人に対し、DVR視聴者数は182万人にも上った。

ティボなどに代表されるDVRは、手軽に長時間の番組が収録できることから普及率が急上昇中で、米テレビ世帯の17.2%が保有するまでになっているという。おりしも、今月はネットワークにとって最も重要なUpfront(アップフロント)を控えており、DVR視聴率の結果をもとに交渉を有利に進めたいネットワーク側とこれをけん制する広告主側との駆け引きが白熱しそうだ。Upfrontでは9月から始まる新シーズンの編成内容発表と、各番組で放送されるCMの予約販売が行われる。