ニールセンが違法投稿防止サービス


米視聴率調査最大手「ニールセン」社がインターネット上への違法投稿防止サービスを展開することになった。「ニールセン・デジタル・メディア・マネージャー」と呼ばれる新サービスは、デジマーク社(本社:オレゴン州)と共同で開発するが、同社の視聴率測定「ピープルズ・メーター」の基になっている「デジタル・ウォーターマーキング」と「デジタル・フィンガープリンティング」を活用する。あらかじめ米テレビ番組に埋められたデジタル・コード(ウォーターマーキング)や俳優の音声を認識し(フィンガープリンティング)、インターネット上などに投稿されようとしているコンテンツを、ネットワークなどから提出されているリストと照合しながら事前に識別、違法投稿を防ぐというもの。

ニールセンでは、NBCユニバーサルやディスカバリー・チャンネルなどテレビ・ネットワークを始め、人気ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「マイスペース」や人気動画共用サイト「ユーチューブ(YouTube)」などに新サービスへの加入を呼びかけている。

米国ではテレビ番組のネット上への違法投稿が大きな問題になっており、今春、巨大メディア企業「バイアコム」がユーチューブと親会社のグーグルを相手取って、総額10億㌦(約1,200億円)の損害賠償を求めて提訴したことはまだ記憶に新しいところ。

ニールセンでは、「ニールセン・デジタル・メディア・マネージャー」技術が、インターネット・マーケティングの測定などにも威力を発揮するとしているほか、近い将来、DVD、映画、ビデオゲーム、音楽などのコンテンツ流出防止にも応用したいとしている。新サービスの実用化は2008年半ばを目標にしている。