ネットワークTVのCM料金、低下減少続く


 米地上波ネットワークテレビの2010年7-9月期におけるプライムタイム(午 後8~11時)で放送されているCM料金は、番組視聴率低下傾向が影響し、昨年同期に比べほぼ横ばいか若干の減額になっていることが判明した。メディア市 場の調査やマーケティングにあたる「TargetCast tcm」社が発表した。同調査によれば、4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)が同期にプライムタイムで放送した番組の30秒CMの平均価 格は80,495㌦と、昨年同期比2%の減少となった。この期間は夏休み期間で、長期休暇をとりバカンスに出かける家族が多いことからテレビ視聴者数が相 対的に下り、CM価格も下がるとされている。しかし、4-6月期における平均価格も123,881㌦と昨年同期比ほぼ横ばいだった。同社では、ネットワー クテレビ番組全体の視聴率が今後も下降線を辿り続けるほか、ケーブル局の番組の存在感が増え続けると見ており、ネットワークテレビのCM価格の減少傾向は これからも続くとしている。


7-9月期を4大ネットワークを個別で見ると、Foxの30秒CMの平均価格が104,842㌦とトップ、他ネットワーク(70,000-79,000 ㌦)に大きく水を開けている。ちなみに、今年9月から始まった新シーズン(2010-11年シーズン)中の30秒CM料金最高額は、Foxのオーディショ ン番組「アメリカン・アイドル」の467,617㌦。これに、NBCのプロフットボール(NFL)番組「サンデーナイト・フットボール」の415,000 ㌦などが続いている。


一方、同社によれば視聴率が好調なケーブル局は、CM料金も好調。特にウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門局ESPNでは4-6月期における30秒 CMの平均価格は27,000㌦を記録。タイムワーナー傘下の総合チャンネルTNTの23,000㌦などが続いている。しかし、ケーブル局がターゲットに している25-54歳層の視聴率が2期連続で4%ほどの減少を見せており、若干の不安要素となっている。