ネットワークがケーブル局番組を再放送


年越しとなった米脚本家組合(WGA)のストライキは新年になっても打開の糸口が見えないままだ。プライムタイムで放送している人気ドラマ番組などは昨年末で新エピソードが品切れ状態。各ネットワークはその対応に追われている。そんな中NBCネットワークでは、1月と2月を新シーズンでは日の目を見なかったドラマ番組で凌ぐ方針だ。

死人とのコミュニケーションが出来る不思議な能力を持った若い主婦が未来の事件や事故を阻止しようする様を描いた物語「ミディアム」や、人気犯罪捜査番組「ロー&オーダー」の番外編「Special Victim Unit」などを編成する予定。脚本家無しで制作できるリアリティー番組などと合わせ、出来る限り再放送番組を避けたい考えだ。

しかし、問題はいずれの番組も制作済みは数エピソードに限られること。ストがさらに長引いた場合、3月以降は別の手立てを考えなければならない。そこでNBCでは、親会社NBCユニバーサル傘下のケーブル局「USAネットワーク」、「Bravo(ブラボー)」、「Sci-Fi(サイファイ)」などで放送されている番組を再放送する方針を固めた。

具体的には「USAネットワーク」で一躍人気番組となった探偵ドラマ「モンク」などを日曜日のプライムタイム枠で放送するという。米国では地上波テレビで放送された番組がケーブル局で再放送されるのが通例だが、逆のケースは極めて異例。CBSネットワークでも姉妹局にあたる有料チャンネル「Showtime(ショータイム)」で放送されている連続殺人犯を扱ったドラマ「Dexter」の放送を検討するなど、他ネットワークが追随する動きも出ている。

また、WGAに所属しない外国人脚本家との共同制作にもスポットライトが当てられている。大型予算の番組については米国以外の放映権を他社に譲渡し、経費の削減に当たる予定だ。WGAはテレビ番組のインターネット配信などから上がる利益配当をめぐり、全米映画テレビ制作者(AMPTP)との交渉が決裂、昨年11月5日にスト入り。その後2度にわたって行われた交渉も物別れに終わっている。