ネットワーク番組が過去最悪の視聴率

米テレビ界は9月から始まる新シーズンを前に夏季特別編成期間に入っている。好調なケーブル局とは裏腹に、地上波ネットワーク局の不振ぶりが目立ち、USAトゥデー紙によれば、視聴率が昨年同期比二桁台の落ち込みを見せているネットワークが大半を占めているという。


4大ネットワークテレビ(ABC、CBS、Fox、NBC)の6月15日から3週間に放送された番組を見ると、マイケル・ジャクソン死去に関する一連の特別番組やFoxのヒット番組「So You Think You Can Dance」(ダンス・コンテスト番組)やNBCの「America’s Got Talent」(素人タレント・ショー)などが好調なものの、合計平均視聴者数は2020万人と史上最悪の記録となった。米広告会社「キャラットUSA」のメディア・アナリスト、シェリー・ブリル氏は、「地上波は一部の番組を除けば、全体に顕著な番組が見当たらない」と総括している。ただ、夏季後半は、ABCが高額賞金のクイズ番組「ミリオネア(邦題)」の10周年記念番組をスタートさせるほか、Foxがデート番組「More to Love」など強力なリアリティー番組を登場させることから視聴率は尻上がりによくなると見ている。


一方、ケーブル局は、タイムワーナー傘下「TNT」の人気番組「ザ・クローサー」(犯罪捜査ドラマ)やNBCユニバーサル傘下「USAネットワーク」のアクション・ドラマ「Burn Notice」や医療ドラマ「Royal Pains」などが好調で、「今夏はケーブル局が気持ちよく日光浴している状態だ」(ブリル氏)。

夏季は家族で夏休み旅行などに出かける世帯が多いことからテレビ視聴が低下することもあって、ネットワークテレビは制作コストの廉価なリアリティー番組を編成するのがこれまでの慣わし。これに対しケーブル局は近年、自主制作のドラマ番組などを重点的に編成し対抗している。