ネットワーク番組の9割がネット配信


 米ネットワーク番組の9割がインターネット上で視聴可能になっていることがこのほど明らかになった。ネット配信テレビ番組案内サイト「Click.com」が公表したもので、2009-10年テレビシーズンで放送された127番組のうち、4420本にも上るエピソード(全編)がネット配信されたという。米プロフットボール・リーグ(NFL)主催の試合中継番組は除外されたが、4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)及びミニ・ネットワークと称されるCWがプライムタイム(午後8~11時)で放送した約9割に相当する番組がネット上に提供されたことになる。このうち、放送翌日に視聴可能になった番組は全体の半数に上ったほか、放送後2週間以内にはすべての番組が提供された。

ネットワーク別に見ると、36本と最も多くの番組数をネット上に公開したのがABCネットワーク。最も多くのエピソード数を配信したのがCBSで、その数は1750件弱に上った。CWでは同ネットワークが放送したすべての番組をネット配信した模様だ。

米国ではテレビ番組を中心にインターネット上のビデオ配信が人気沸騰。ニールセン社の調べでは今年6月のオンライン・ビデオ・ストリーム数は昨年同月比1.3%増の100億件に達した。同月のオンライン上の視聴本数は前年同月比0.3%減だったものの、ビデオ1件当たりの視聴時間は3.1%増となっており、オンライン・ビデオ視聴の本格利用が定着しつつあることを示している。

米メディア調査会社SNLケーガンがこのほど主催したインターネット会議に出席した、インターネット調査会社eMarketerの上級アナリスト、ポウル・バーナ氏によれば、米国におけるオンライン・ビデオ利用者は現在1億4750万人。インターネット利用者全体の三分の二を占める数だという。オンライン・ビデオ利用者の大半が18~44歳層に集中しているほか、テレビ番組のほとんどをインターネット上のみで視聴する熱心な利用者は25歳以下に集中していることも判明した。