ネット対応型テレビが普及の兆し


 米国でインターネット配信された映像コンテンツを取り込める機能を備えたテレビ(以下、ネット対応型テレビ)の普及が着実な伸びを示していることが明らかになった。米調査会社「ライクマン・リサーチ・グループ」がこのほど発表した調査結果によると、ネット対応型テレビを保有している世帯は、全体の24%に達している。別の調査会社ディスプレイサーチは、ネット対応型テレビの販売が2013年に1億台近くとなり、09年の約1500万台から6.5倍に急拡大するとの見通しを明らかにしている。また、同型テレビのほかに、ブルーレイ・ディスク/DVDレコーダーや据え置き型ゲーム機を利用し、ネット上の番組のアクセスしている人も多いことが分かった。


しかし、利用頻度については、「毎日利用している」と答えた人がわずか1%に留まっているほか、「一週間に一度は利用している」と答えた人も5%に留まっており、「ネット上のコンテンツをテレビで見る方法を発見したばかり」、という段階だ。その中で、熱心な利用者が18~34歳の若者男性に集中していることも浮き彫りになった。同層の16%が、「一週間に一度は利用している」。


ところで、米国ではネットワークテレビのプライムタイム番組などがインターネット上で無料配信されているが、有料化には根強い反対があることも同調査の結果で分かった。例えば、人気動画配信サイトHulu(フールー)が、「月額9.95㌦(約896円)ほどの課金制度を導入したら」という質問には、81%の人が反対。容認する人はわずか5%に留まった。ライクマン社では、「こうしたサイトが有料化されれば、ユーザーは、見逃し視聴にDVR(HDD内臓型のデジタル録画機)などを利用するか、ケーブルテレビ(CATV)などが提供するテレビ番組オンデマンド・サービス(無料)に切り替えるだろう。放送時間に合わせて番組を視聴する人も増えるかもしれない」などと、分析している。