ネット広告、09年4Qの売上が過去最高規模


?不況の影響を受けていたインターネット広告が回復軌道に乗りつつあるようだ。インタネット広告協会(IAB)と米コンサルティング会社大手「プライスウォータークーパース」が行った共同調査によると、2009年10-12月期の売上高は、前年同期比2.6%増、63億㌦(約5860億円)と、四半期ベースでは過去最大を記録した。プライスウォーターのパートナーを務めるディビッド・シルバーマン氏は、「インターネット広告のスランプは過去のものとなった。成長の種が芽生え始めている」と、回復宣言をした。


ただ、同調査報告によれば、09年通年の売上は、前年比3.4%減、227億㌦(2兆1111億円)に留まり、2002年以来はじめて前年の売上げを下回る結果を記録した。それでも、09年の総広告費が前年比12.3%減少、1253億㌦(約11兆6530億円)(広告大手WPPグループ)に終わったことを考えれば、ネット広告は「ほとんど無傷の状態だった」(ウォールストリート・ジャーナル紙)と捕らえられてる。


同広告を分野別で見ると、検索連動広告が全体の47%を占め、引き続き稼ぎ頭の地位を守っている。ちなみに、検索連動広告とは、ヤフーやグーグルなど検索エンジンで検索されたキーワードに関連した広告を、検索結果に表示するもの。同分野の売上高は107億㌦(約9951億円)だった。一方、テレビ番組など動画配信に挿入されるビデオ広告が、前年比39%増と分野別では最大の成長率を示したことが特筆される。しかし、同分野の売上高は10億㌦(約930億円)に留まっている。


いずれにしても、09年10-12月期の成長を踏み台に、ネット広告市場が好転するとの見方が支配的で、予報家の中には、今年の売上高が昨年比二桁台増を示すとの見方も広がっている。引き続き困難な経済状況が続く中、既存メディアに比べ単価が安価なネット広告に広告予算を振り替える企業が少なくないことも牽引力となりそうだ。