ネット広告、上半期5.2%減


これまで破竹の勢いを続けてきたインターネット広告に陰りが見え始めている。「IAB(インターネット広告協会)」とコンサルティング会社大手「プライスウォータークーパーズ」の共同調査結果によると、米国における今年(2009年)上半期のネット広告売上は、昨年同期比5.2%減となる109億㌦(約9810億円)となった。米オンライン調査会社「eMarketer」によれば、売上が前年比減少となったのは2002年以来初めてのこと。


ただし、プライスウォータークーパーズのデイビッド・シルバーマン氏によれば、他媒体と比べればネット広告は痛手の少ないほう。今年上半期は若干持ち直し、通年の売上は220~230億に達する可能性もある。これは、過去最高の売上高を記録した昨年(234億㌦)にせまるもので、広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」に、「昨今の経済状況を考えれば、決して悲観するものではないのではない」と強調している。

ネット広告を分野別で見ると、検索連動広告が昨年同期比2%の増加となった。また、若者を中心に人気急上昇中のテレビ番組を中心とした動画配信に挿入されるビデオ広告が、全体に占める割合は4%とわずかなものの、昨年同期比38%増と大幅な成長を示すなど、増加を示している分野もある。ちなみに、検索連動広告とは、ヤフーやグーグルなど検索エンジンで検索されたキーワードに関連した広告を、検索結果に表示するもの。今年上半期では、全体に占める割合が47%と、昨年同期の44%からさらに増えており、ネット広告を支える重要な広告分野となっている。全体では、バナー広告や案内広告などの不振が目立っている。