ネット広告のシェアが急伸


米国でインターネット広告が活況を呈している。米インターネット調査会社eMarketerの調査によると、2006年には総広告費に占める割合が6%、169億㌦(約1兆9,435億円)規模だったインターネット広告費が、2010年までには12%、375億㌦(約4兆3,125億円)強と飛躍的に増大する見通しだ。同社の上級アナリスト、デイビッド・ホラマン氏は、「オンライン広告が、極めて画期的かつ重要な新時代に突入した」と解説している。

同調査によると、2011年にはオンライン広告費がさらに増大し、420億㌦(約4兆8,300億円)規模と、2006年の3倍近くに成長する。

ホラマン氏は、オンライン広告が新時代に突入したとする判断材料として①2006年にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌からなる4大既存メディアに費やした広告費が前年度を下回った広告主はトップ100社のうち69社にも及んだ。また、これらの企業のほとんどで、インターネット向けの広告費が逆に前年度を上回った②総広告費が伸び悩みを示す中で、インターネット広告だけが順調な伸びを示している③2007年度のインターネット広告費が通年で初めて、既存メディアの一角、ラジオを追い越すことになる、などを挙げている。

そして、オンライン人気はテレビ業界にも浸透し始めている。オンラインで配信されるテレビ番組が人気で、米民間調査機関「コンファレンス・ボード(全米産業審議会)」が11月初旬に発表した調査結果によると、インターネット利用者の中で、オンライン上でテレビ番組を視聴する人が昨年から倍増し、全体の16%にも上っている。