バンクーバ五輪視聴率、好調な滑り出し


  第21回冬季五輪バンクーバー大会が12日開幕した。米国では 独占放映権をもつNBCユニバーサル(NBCU)が傘下のネットワークテレビやケーブル局を総動員して開幕式や競技の模様を伝えているが、開会式の視聴者 数がこれまでの最高を記録するなど、好調な滑り出しとなった。NBCネットワークが米東部時間午後7~11時(プライムタイム)に放送した開会式の平均視 聴者数は3260万人と、前回(2006年)、イタリアで開催されたトリノ大会の2290万人を超え、米国外における冬季五輪では最高記録となった。米調 査会社ニールセンの速報によれば、開会式の模様を少なくとも6分間見た人の数は6750万人にも上った。


初日以降も好調で、大会3日間の平均視聴者数は、トリノ大会のものを25%も上回る2860万人を獲得した。開会式1週間前に発表された世論調査 (Rasmussen Reports)では、「五輪競技のほとんどをテレビで見るつもり」と答えた人は、全体のわずか20%にとどまっていたが、そんな悲観的な予報を一気に吹 き飛ばすものとなったばかりか、プライムタイム編成の不振が続くNBCネットワークにとって久方ぶりの吉報となった。


2月7日に開催されたスーパーボウルが米テレビ史上最高の視聴者数を獲得したばかりだが、業界誌アドバタイジング・ウィークは、「米東部ばかりか、南部を も襲っている厳しい寒さのために、外出を控え、家でテレビを見る人が多い。それに、バンクーバで開催されたことで、外国とはいえ時差が大きな問題にならな い利点がある」などと、高視聴率の背景を分析している。


ところで、NBCUでは五輪の模様をインターネット上でも伝えているが、公式サイト「NBCOlympics.com」は、3日間の平均ユニーク・ユーザー数は420万件と、こちらもトリノ大会時の102万件を大きく上回った。