ビデオゲーム人気が急増中


米国でビデオゲームの利用時間が急増している。ここで言うビデオゲームとは据え置き型ゲーム機のこと。ニールセン社がこのほど発表した調査結果によると、昨年12月、米生活者がビデオゲームに費やした時間は640億時間。一人当たりの利用時間は一日平均93分にも上ることが分かった。4大ネットワークテレビ(ABC、CBS、Fox、NBC)は別として、ミニ・ネットワークの愛称で親しまれているCWネットワークの視聴時間を越えるほどだという。そんなことから「ビデオゲームが第5のネットワーク的な存在になった」(メディアウィーク誌)などとする見方も出てきている。広告主にとって、無視できない重要ターゲット層になりそうだ。


ただ、ニールセンでは「当面は、テレビ業界首脳陣がビデオゲーム利用を脅威として捕らえる必要はない」と分析している。ビデオゲーム・ファンがテレビ好きでもあるからだ。同調査結果によれば、ビデオゲーム利用は夜7時ごろにピークに達する一方で、彼らのテレビ視聴は夜9時頃にピークになるという。プライムタイムにはゲームをやめ、テレビに集中するというわけだ。また、ゲーム利用は季節によっても変動があるようだ。8-9月には利用時間が落ち込み、逆に6月に最高潮に達することが明らかになった。

ニールセンでは、このような利用習慣がゲーム・メーカーにとって新製品を発売する際の有益な参考データになると見ている。また、同社は、ビデオゲーム利用者が、十代の若者など特定層に限らず、生活者全般に拡大する傾向にあると指摘している。特に日本メーカー、任天堂の「Wii(ウィ)」の爆発的な人気で、ゲーム利用者の三分の一が35歳以上の女性で占められることもわかった。ちなみに、現在、Wiiの販売台数は1800万台、マイクロソフト社製のライバル機「Xbox360」の1160万台、ソニーのプレイステーション3の570万台を大きくリードしている。