ビンらディン殺害報告に5600万人の視聴者


国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマビンラディン容疑者殺害作戦の成功を国民に伝えたオバマ米大統領のテレビ演説に5650万人がチャンネルを合わせたことが明らかになった。米視聴率調査会社ニールセンによれば、オバマ氏が大統領就任後に行った演説としては、最多視聴者数を記録した。

大統領の演説の模様は、ABCCBSNBCの地上波3大ネットワークに加え、ユニビジョンなどスペイン語放送、さらにはCNNFoxニュースチャンネルなどニュース専門局、合計9社が生中継した。

 

オバマ大統領の演説は51日午後1135分(米東部時間)から9分間にわたって行われたが、翌日に出勤を控えた日曜日夜、しかも深夜(東部)にもかかわらず記録的な視聴者数を得た背景には、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や簡易ブログ・サービス、ツイッターの驚異的な普及ぶりがありそうだ。ネットワークテレビやニュース専門ケーブル局がビンラディン容疑者殺害作戦が実行されたことを報じたのが午後1045分ごろ。しかし、既存メディアに先陣を切るかたちで、ツイッターやSNS上ではすでに殺害のニュースが駆け巡っていたという。ニューヨーク・タイムズ紙は、テレビが報じる少なくとも20分前にはツイッターやSNS最大手フェイスブックなどで取りざたされていたと見ている。

 

事前に知った市民がオバマ大統領の演説を待ち受けた格好だが、ツイッターによると、この間オバマ大統領の演説を含め030(米東部時間)ごろまで毎秒3440件のメッセージがやり取りされるほどの活況ぶりだった。米国では、ニュース速報を既存メディアではなくインターネットやSNS、さらにはツイッターから入手する傾向が高まっているが、今回はそんな傾向を裏付ける結果ともなった。

 

ちなみに、20091月、米ニューヨークのマンハッタン西側を流れるハドソン川にUSエアウェイズの旅客機が不時着した事故が発生した際も、ツイッターが既存メディアに先駆けて一報を流したとされている。 

<テレビ朝日アメリカ 北清>