フールー視聴者数急上昇 新番組が起爆剤


テレビ番組動画配信サイト「Hulu(フールー)」人気がとまらない。2009年10月の同サイトのビデオ・ストリーミング数は8億5600万件と、前月の5億8300万件から47%増と、月間としては過去最大の上げ幅となった。同月のユニーク・ビジター数も、4250万人と、9月比10%増。一人当たりの月間動画視聴時間も、123分と9月の92分から大幅アップとなった。


インターネット調査会社comScore(コムスコアー)によれば、米テレビ界の新シーズンが9月中旬以降始まり、新番組が増えたことや、同サイトの共同出資社「ウォルト・ディズニー」が傘下のABCネットワークの人気番組「ロスト」と「デスパレートな妻たち(邦題)」をメニューに加えたことなどが、要因となった。


コムスコアーでは、ネットワークテレビが再放送を中心とした夏編成に入る6月には、フールーの視聴者数も大幅に減少すること。さらには、フールーのライブラリーにラインアップされている、往年のテレビ番組「ローンレンジャー」や「Aチーム」などの視聴数が少ないことから、「フールー人気はネットワークテレビの新ヒット番組に支えられていることが浮き彫りになった」と分析している。


人気上昇につれ、広告(動画CM)売上も好転している模様。フールーの最高経営責任者(CEO)ジェイソン・キラー氏は、広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」とのインタビューで、「10月の視聴者数増大のおかげで、今年10-12月期のスポットCM枠は完売してしまった。新年1月までは枠が無い状況で、目標をはるかに上回る成績だ」とうれしい悲鳴を上げている。ジェイソン氏は、動画配信番組は「より少ないCMほど効果的」との信条のもと、CM枠を増やす考えはないことを強調している。ちなみに、通常放送されている30分番組なら8分相当のCMが挿入されるが、フールー版では2分程度に制限されている。