ブッシュ大統領演説、アイドル効果で高視聴率

ブッシュ米大統領の一般教書演説(1月23日)は4大ネットワークにより2時間枠の特別編成で全国向けに中継されたが、ネットワーク全体の平均視聴者数が3,140万と、ここ数年で最高の視聴率を獲得したことが分かった。昨年の合計視聴者数は2,760万で、今回は14%も上回ったことになる。

各ネットワークの特別番組はプライムタイムの21時からブッシュ大統領の演説とそれに対する野党民主党側の反論などを含め2時間に渡り放送されたが、通常は報道番組を放送しないFoxネットワークが、視聴者数1,050万人を獲得、4大ネットワーク中トップに躍り出た。

特にネットワークが熾烈な視聴者争奪戦を繰り広げている18~49歳層の平均視聴率が4.3%(シェア11%)と大健闘。直前に放送された同ネットワークの超人気番組「アメリカン・アイドル」(20:00~21:00)が若者視聴者を引き留めたようだ。

ブッシュ大統領は演説の中で、イラクへの増派策の正当性を訴えたが、高視聴率はイラク情勢に対する米国民の関心の深さを示すとともに、人気番組「アメリカン・アイドル」の波及効果を知らしめるものとなった。

Fox以外では、ここのところ報道番組でナンバーワン・ネットワークとなっているNBCが平均視聴者数750万人で2位。これにCBSの700万人、ABCの630万人と続いた。 ちなみに、Foxネットワークは報道部門を抱えておらず、この日の特別番組は姉妹局のニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」の番組をサイマル放送した。