ブッシュ政権がBB普及率を誇示

米国政府はこのほど、ブロードバンド(高速大容量)通信網が国内の99%に到達したと発表した。米商務省傘下の電気通信情報局(NTIA)は1月31日、米国におけるブロードバンド普及率状況に関する統計を発表、ブッシュ政権誕生当時(2000年12月)は680万回線に過ぎなかったブロードバンド回線が2006年12月には8,250万回線と、1,100%以上の伸びを示したことを明らかにした。

カルロス・グティエレス商務長官は同省のホームページに声明を掲載、「ブロードバンドの成功物語だ。大統領の政策が米国内におけるブロードバンドの普及に大きなインパクトを与えた証拠だ」と、ブッシュ大統領の指導力を強調した。

米通信委員会(FCC)のケビン・マーティン委員長(共和党)も成果を賞賛しているが、野党民主党の委員がこれに噛み付いた。「もし米国がネットワーク化されたというのなら、(米国の)20倍も早いブロードバンドに半額の料金で接続できる他国の事情を認識しているのか。ブッシュ政権は我々が世界標準に大きな遅れをとっていることをしっかり自覚すべきだ」などと、厳しい批判を浴びせている。

メディア業界の向上などにあたる非営利団体「フリー・プレス」の調査部長デレック・ターナー氏も業界誌「ブロードキャスティング&ケーブル」に対し、「ブッシュ政権が任務達成を宣言しても、世界のブロードバンド・ランキングで米国がトップ・グループから脱落している事実を変えることは出来ない」と批判を加えている。