ホームページで視聴率挽回


米ローカルテレビ局で視聴率低下傾向に歯止めがかからず、問題が深刻化している。ローカル・ニュースの人気コーナーである「天気予報」や「スポーツ」情報をインターネットで入手する人が増えていることや、人気ドラマなどが放送翌日にネット配信されるようになったこともあり、「テレビを見ない人」が増えているためだ。

そんな流れを受けて、ホームページ充実に着手したローカル局が増えている。「視聴者がインターネットに流れるのなら、インターネット上で視聴者の心を掴もう」というのが狙い。全米のCBS系列局では若者に人気のソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)を構築したほか、ホームページのみで閲覧が可能な情報量を4倍増とするなど、インターネット上コンテンツを大幅増強した。ノースカロライナ州グリーンビル市にあるWITNテレビでは、不動産サイトで売りに出ている住宅のビデオ案内を始めた。

その結果、ユーザーから好意的な反応があった。昨年12月以来、同系列局サイトへのヒット数は毎月40%増。ユニークビジター数は200万件を突破するまでに至っているという。

同州にあるCBS系列の有力ローカル局WRALテレビのニュー・メディア担当本部長ジミー・グッドモン氏は、「ホームページを成功させるためには、放送で流したコンテンツの焼き直しは掲載しないことだ」と述べ、オリジナル性の重要さを強調している。

全米に29局のローカル局を所有するメディア会社「ハースト・アージャイル・テレビジョン」ではネット専用のコンテンツを積極的に開発したところ、2006年における同社のホームページへの閲覧回数が前年度比29%増となる3,800万回を記録した。ローカル局の間には、「ホームページに人気が集まれば新たな広告収入にもつながるほか、テレビ局のPR効果にもつながり、ひいては視聴者が“テレビに戻ってくれる”」との期待感が高まっている。