マクドナルドの売上げが五輪効果で上昇


米ファストフード大手のマクドナルド社はこのほど、8月の米国内既存店売上高が昨年同期比4.5%増、世界既存店売上高は8.5%増と、大幅な増加を示したと発表した。五輪をテーマにした、サザンスタイル・チキンサンドイッチなどが貢献した。広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」は北京五輪のスポンサー効果が表れたと報じている。世界有数の投資銀行UBSのアナリスト、デイビッド・パーマー氏は、同誌に、「景気が減速傾向を示している米経済にあって、同業社の売上げの2倍増となる顕著なものだ」と、述べている。米国ではガソリンや食品の価格が高騰し外食産業全体が痛手を被っている中、一人気を吐いた形だ。

ただパーマー氏は、五輪効果が長続きするかどうかについては悲観的。商品価格の高騰に加え、失業率の上昇などが米市民に大きな影響を与えることは必至で、同社の売上げは今年の第4四半期から来年にかけ、著しく減少すると見ている。ウォールストリートの投資会社「RBC Capital Markets」のアナリスト、ラリー・ミラー氏もパーマー氏とほぼ同様な見解を示している。オリンピックのテーマを前面に押し出していた商品の売上げが減退するほか、特に、アイスコーヒーやアイスティーなど夏向け商品の売上が低下することも避けられない状況だ。

一方、マクドナルド社の最高経営責任者(CEO)ジム・スキナー氏は声明の中で、「われわれは手軽で便利な商品を世界に提供することで、消費者と深いつながりを構築してきた。(五輪で得た)モメンタム(はずみ)は、世界各地で今後も続いて行くだろう」と、強気の姿勢を示している。ちなみに、マクドナルド社は、世界的な企業12社が名を連ねる五輪スポンサーの一員だが、米調査会社IEGによれば、同社がIOCに支払うスポンサー料は北京・ロンドン五輪を合わせ7,000~8,000万㌦(約75~86億円)に上るという。