ミリオネアがABCで復活か


アカデミー賞で作品賞など8つの賞を獲得した「スラムドッグ$ミリオネア」人気に触発されるかたちで、米ABCネットワークがクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire(クイズ$ミリオネア:邦題)」の復活を検討していることがこのほど明らかになった。映画ではインドのスラム街に育った少年が同国で放送されている高額賞金のクイズ番組「ミリオネア」に挑む様子が出てくる。

同番組はもともと1998年、英ネットワークITVで大人気を博した番組。ABCが翌年、番組フォーマットを取り入れ放送を開始、瞬く間に同ネットワークを視聴率王に押し上げる大ヒット番組になった。男性司会者、リージス・フィルビン氏の決まり文句がはやり言葉になるなど社会現象にもなったほどの存在感を示した。現在米テレビ界で主流となった番組カテゴリー「リアリティー番組」の火付け役としても位置づけられている。

ABCでは同番組が米国で初めて放送されて以来10年が経つことから、それを記念して放送の復活を検討している模様。ニューヨークタイムズ紙によれば、ネットワーク側と制作会社との間で実現に向け話し合いが継続中。制作会社のエクゼクティブ・プロデューサー、マイケル・デイビース氏は、「スラムドッグ」人気が交渉を有利に進める上で好材料になっていることを認めている。

ABC関係者は、同番組が復活した場合、プライムタイム(午後8~11時)での放送を想定しているが、気がかりなのは、同番組のシンジケート版の視聴率が今年は昨年に比べ9%ほど下落していること。さらに、オリジナル司会者のフィルビン氏が再登板を受け入れるかどうかが放送決定の鍵を握っているという。現在は、女性司会者のもとゲーム専門局「GSN」で放送されている。