モバイル・ビデオ視聴率の測定開始

米ニールセン社が携帯電話を利用したインターネットや動画サービスの活用状況を本格的に調査・分析することになった。新サービスは「ニールセン・ワイヤレス」と呼ばれ、まずはケータイ上の動画番組視聴率を示す「モバイル・ベクター」が来月7月登場することになった。同社副社長のジェフ・ハーマン氏は発表にあたり、「信頼できる正確なモバイル動画視聴人口の測定値が明らかになれば、広告主が興味をしめしているケータイ市場進出の手助けになるはず」と述べている。

ニールセンでは、まずモバイル・ビデオ市場の大きさなどを測定したあと、今秋には実際にどの動画サービスに人気が集まっているのかなど、より具体的な調査結果をまとめたいとしている。

米ケータイ業界の代表機関「セルラー通信工業会(CTIA)」によれば、全米の携帯電話加入台数は2億3,000万台。ニールセンによれば、このうち動画サービスの利用者は18~34歳代の10%にも満たない模様。しかも、動画利用者の46%が35歳代以上と比較的壮年層にかたよっていることが判明し広告主にとって予想外の発見となった。男性利用者が全体の54%と、過半数を占めていることも分かった。

業界誌「アドバタイジング・エイジ」によると、今年5月にモバイル・ビデオを利用した人は推定800万人。ケータイを使ってインターネットにアクセスした人は18~34歳代利用者の25%に相当する3,300万人に上るという。米国では動画サービスなどに欠かせない第3世代サービス(3G)普及が日本に比べ5年ほど遅れているというのが一般的な見方。CTIAによると、3Gサービスの加入者数は2,180万件ほど。テレビ番組提供なども本格化していないのが現状だ。