ローカル局CM売上げを大幅下方修正


米ローカルテレビ局の来年のCM売上げ予報に暗雲が立ち込めている。放送事業者や広告代理店などで構成する非営利団体、テレビ広告局(Television Bureau of Advertising=TBA)はこのほど、2009年におけるローカルTV局のスポットCM売上げについて、当初2008年比2~5%減少と予想していたものを、7~11%減少と大幅下方修正した。

TBAは来年の全国向けのスポットCMについても、当初2008年比7~10%減少としていたものを、11.5~15.5%減少に修正した。TBAはさらに、今年のスポットCM売上げについても、昨年比横ばいとしていた予測を、7.1%減少に下方修正した。今年は、北京五輪や大統領選挙の年ということで、増収を見込んでいただけに、各テレビ局はTBAの下方修正に動揺を隠し切れない様子だ。

米国では金融危機の長期化や景気後退への懸念が米企業の経営不安を高めているが、特にテレビ局にとって大スポンサーである自動車メーカーの不振がクローズアップされている。TBAによれば、自動車メーカーや自動車販売店のCM撤退は、金融危機が表面化した9月以降特に顕著になっている。

TBAではまた、生活者のテレビ離れの影響も指摘している。特に、視聴者の間に芽生え始めているタイムシフト視聴がテレビ局の広告売上げに大きな影響を及ぼすのは時間の問題だと指摘している。タイムシフト視聴とは、インターネットやデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)を使い、見たい番組を見たい時に番組視聴すること。CM飛ばし視聴の拡大が懸念されている。