世界の広告支出額が1.1%の微増


米広告業界専門誌「アドバイタイジング・エイジ誌」がこのほど「2006年世界の広告主トップ100社」を発表した。同誌によると、広告主トップ100社が費やした広告費は前年度比わずか1.1%の微増に留まる978億㌦(約10兆7,600億円)だった。同誌はゼネラル・モーターズ社(GM)の広告費が前年比17.4%減少したことを例に挙げ、米国の大広告主の広告費が軒並み二桁の減少を示したことが主な要因だと分析している。

ところで、世界ナンバーワンの広告主には、洗剤や化粧品などの家庭用雑貨品を含む米国の一般消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が6年連続でランクされた。同社の広告支出額は前年比4.1%増となる85億2000万㌦(約9372億円)と2位のユニリバー(英国とオランダに本拠を置く食品や家庭用品メーカー)の広告支出額のほぼ2倍を記録した。

アドバタイジン・エイジ誌は「当分の間P&Gを追い抜く企業は現れないだろう」としている。 また、トップ10の中で、前年比最高の伸びを見せたのがフランスの化粧品メーカー、ロレアル。広告出資額は前年比12.7%増の31億1900万㌦(約3,430億円)で、世界4位につけた。日本企業で唯一トップ10入りしたのがトヨタ自動車。同社の広告支出額は30億9800万㌦(約3410億円)で5位にランクされた。

一方、今回初めてトップ100入りした企業は3社。前年比85.2%増3億5100万㌦(約386億円)と大幅な伸びを見せ83位にランクされた米アップル社のほか、オランダの金融サービス会社INGとフランスの酒類企業ペルノ・リカール社がそれぞれトップ100入りをはたした。 ちなみに、同誌によると、米国市場における広告費は全体の約40%を占めている。