五輪独占放送権交渉、まもなく開始か


 国際オリンピック委員会(IOC)と米ネットワークテレビ間における2012年 以降の五輪独占放送権をめぐる交渉がまもなく始まる気配だ。来年、ロンドンで開催される夏季五輪の放送権はNBCユニバーサル(NBCU)が保有している が、その後2014年に開催されるロシアのソチ冬季五輪、そして2016年に開催予定のリオデジャネイロ夏季五輪の放送権はまだ未定のままだ。メディア業 界誌バラエティーによると、IOCは、両大会に加え、2018年、2020年の放送権も包括して交渉したい意向を示しているという。AP通信は4大会合計 の権料は40億㌦をくだらないとの見方を示している。ちなみに、18、20年の開催地はまだ未定。


米国ではNBCUが2000年以降6大会連続で独占放送権を獲得してきたが、同社の経営権を握ることになった米CATV最大手コムキャストが引き続き独占 権獲得に強い意欲を示しているという。コムキャストの最高執行責任者(COO)を務めるスティーブ・バーク氏はNBCUの新しい最高経営責任者(CEO) に就任することが明らかになっているが、五輪放送権取得はバーク氏にとってその手腕が問われる初の大仕事となりそうだ。コムキャストはNBCUで五輪放送 運営の責任者として大きな影響力を発揮してきたミスター五輪ことディック・エバソール氏を引き続き担当責任者に据えることも決定していて、五輪放送にかけ る意欲のほどが伺える。また、コムキャストは傘下にスポーツ専門局を抱えるが、スポーツ専門局として圧倒的な存在となっているESPN(ウォルト・ディズ ニー傘下)に迫る勢力に育て上げるためにも五輪放送を勝ち取ることを必須条件として掲げている模様だ。


これに対し、ウォルト・ディズニーも傘下のABCネットワークとESPNを駆使した五輪放送をアピール、これまで以上の積極姿勢を示しているという。 IOCが世界の放送局から得る放送権料の50~75%を占めるといわれる米ネットワークテレビの放送権料だが、コムキャスト/NBCU対ディズニーを中心 に激しい争奪戦が展開することになりそうだ。ディズニーは、2010年、2012年の独占権の取得に16億㌦を提示したが、それを上回る22億㌦を提示し たNBCUが競り勝ったとされている。