人気トーク番組終了発表で騒然


全米向けに配信されている人気トーク番組といえば、真っ先に挙げられるのが「オプラ・ウィンフリー・ショー」。黒人女性タレントのオプラ・ウィンフリーさん(55)が司会をする番組だが、シンジケーション契約切れとなる2011年9月を契機に、番組が終了することになった。オプラさんが20日、番組中に涙ながらの発表をした。各テレビ局はもとより、ニューヨーク・タイムズ紙など全米の有力一般紙も一斉に報じた。同番組は1986年にスターとした長寿番組。放送終了がきまった2011年9月は番組の25周年にあたる。番組は週日連日午後4時から1時間にわたり放送されている。


同番組は、「トーク番組の女王」などと呼ばれているオプラさんによる話題の人とのインタビューが中心だが、オプラさんが番組のコーナーで推奨する新書は、ほとんどがベストセラーになるなど、圧倒的な人気と影響力を誇っている。ウィンフリーさんは、オバマ大統領誕生にも一役買ったなどとされ、カリスマ的な存在。


最近は人気に若干翳りが見えてきたが、今シーズンの平均視聴率5.4%(視聴者数730万人)と、昼間に放送されているシンジケーション番組の最高視聴率番組の座を守っている。今回の決定は、同番組を配信するジンジケート会社「CBS Television Distribution」にとって打撃になるとともに、同番組を長い間放送してきたABCネットワーク系列局にとって大きな痛手になる可能性が指摘されている。各局は、オプラさんの番組終了後にローカルニュース番組を編成しており、事前の超人気番組を失うことで視聴率への悪影響が心配されている。

さらに、「(オプラさんの動きは)ケーブル局への支持を意味するもの。地上波テレビの命運に打撃を与えるものだ」(ニューヨーク・タイムズ紙)などという指摘もされている。オプラさんには、ケーブル局の老舗「ディスカバリー・チャンネル」と共同で創設する新たなケーブル局「OWN」で、同様のトーク番組を放送する計画があることが取り沙汰されている。