人気動画配信サイトが有料化を検討


ネットワークのプライムタイム番組などの全編・無料配信で人気のHulu(フールー)が有料化を検討していることが明らかになり話題となっている。フールーの共同出資会社の一つ、ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長が、去る9月、詳細はまだ煮詰まっていないとしたものの、「テレビ番組については、何らかの有料制。映画については、ペイ・パー・ビュー制度を導入したい」とする考えを明らかにした。これに続き、ニューズ社社長兼最高執行責任者(COO)のチェイス・ケリー氏が、10月下旬にニューヨークで開かれた会合で、「フールーの有料化は、早ければ2010年中にスタートすることになる」と発言した。


ただ、有料化すれば、利用者が背を向けてしまうなどの懸念があることから、フールー関係者が有料化構想に対する過剰反応の沈静化にやっきになっている。同社関係者は業界誌「メディアウィーク」の取材に対し、「フールーのミッションは、プロが制作した高品質なコンテンツを生活者に提供すること。広告収入で運営し、消費者には無料で提供するサイトが引き続き強い支持を得ていることは明らか。有料化するとすれば、本体の収入の補完的なものになるだろうが、まだ詳しいことは何も決まっていない」と強調している。

フールーは、そのすぐれたストリーミング技術で、ネットワークの人気プライムタイム番組を最小限のCM挿入で翌日には全編配信。オンデマンドで視聴できることから、特に若者の間で人気急上昇中。ニールセン社によれば今年9月のユニーク・ビジター数は1351万9000件、ストリーム数は4億3740万件以上を記録、ユーチューブに次ぐ、人気動画視聴サイトに急成長している。