今冬、米ニュース番組が活況


今冬、米ニュース番組の視聴率が好調だ。大統領選挙があった昨年11月をピークに、その後は冬の時代を迎えると見られていたが、オバマ大統領人気や金融危機、さらには中東情勢などに人々の大きな関心が寄せられていることが要因となっているようだ。

特にCBSが毎週日曜日夜7時に全国向けに放送している「60ミニッツ」は、過去5年間、視聴率が下降線を辿ったままだったが、今シーズンの視聴率は昨年同期比9%の上昇を示している。同番組のエクゼクティブ・プロデューサー、ジェフ・フェイガー氏はウォールストリート・ジャーナル紙に、「世の中が深刻な不況に陥っている中で、硬派なニュース番組に対する需要が極めて高い。テレビ番組の中で、報道番組がまだまだ活躍できる余地のあることを明確に示したものだ」と述べている。同番組の平均視聴者数は今シーズン1540万人と、他ネットワークがプライムタイムで放送するドラマ番組を上回るほどの人気ぶり。8週続けて人気トップ10番組にランクされている。

また、これまで視聴率低迷に悩んでいた公共放送PBSの週日夕方のネットワークニュース「NewsHour with Jim Lehrer」(ニューズ・アワー)も今シーズンの平均視聴者数が125万人と顕著な伸びを記録している。ABCネットワークが連日深夜(23:15)に放送している報道番組「ナイトライン」も今シーズンの平均視聴者数400万人と、CBSの人気トーク番組「ザ・レイト・ショー・ウィズ・デイビッド・レターマン」を上回る人気ぶり。同番組のエクゼクティブ・プロデューサー、ジェイムズ・ゴールドストン氏は、「我々を取り囲む環境は今、困難かつ複雑な問題ばかり。人々はこれらのテーマを詳しく分析・解説してくれる報道番組を求めている」と説明している。各社が放送する週末のインタビュー番組も好調で、米報道番組の人気が軒並み上昇中だ。