今夏ネットワークTVが高視聴率

地上波ネットワークの視聴率が今夏、好調だ。米国では6月から8月までの夏休み期間中はテレビ視聴者数が減少するのが通例だが、今夏はさらに減少するものと心配されていた矢先に届いた吉報となった。5地上波ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC、CW)の合計視聴者数は昨年同時期比120万人上回っているという。

米視聴率調査会社「ニールセン・メディア・リサーチ」によれば、広告主が重要視する視聴者層(18~49歳)のプライムタイム視聴率は5社の平均が1.6%と、昨年のレベルを堅持する結果となった。ABCが放送しているリアリティー番組「ワイプアウト」が平均視聴者数960万人という高レベルを維持するなど、同ジャンルの番組の活躍が原動力になっているようだ。

米ネットワークは、昨年11月から100日間に渡って続いた米脚本家組合のストライキなどの影響で、今春4~5月の視聴率が不調に終わり、ネットワークと広告主の間で補償方法などが話し合われていたが、夏の予想外の視聴率がこれを補填する形となった模様。「地上波ネットワークは最悪の事態をさけることができることになった」(ホライゾン・メディア社)とする声も上がっている。

一方、ケーブル局も好調だ。ベーシックチャンネルのトップ15局の平均視聴者数は昨年並みのレベルを維持している模様で、米メディア・コンサルティング会社「MediaVest」では、「各局が投入している独自制作ドラマが昨年に次ぎ好調なことが要因」と分析している。NBCユニバーサル傘下の人気局「USAネットワーク」の看板番組で探偵ドラマの「モンク」の今シーズン・プレミア版は、昨年より16%増となる視聴者数560万人を獲得したほか、タイムワーナー傘下の「TNT」のヒット・ドラマ「The Closer」の初回番組の視聴者数も昨年より50万人超を記録した。