任天堂ウィーが映画レンタルと提携


米国で人気ナンバーワンの座を獲得している任天堂の据え置き型ゲーム機 「Wii(ウィー)」が、映画レンタル郵送サービス大手の米ネットフリックスの映像配信サービスを今春からスタートすると発表した。これまでにも、ソ ニー・コンピューターエンタテイメントの「プレイステーション3」やマイクロソフト社の「Xbox360」などに同様な機能が搭載されているが、圧倒的な 人気を誇るウィーが参入したことで、「ゲーム機メーカーが、ブロードバンド配信とテレビ受像機の架け橋的役割に本格的に乗り出した象徴的な動き だ」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと注目を集めている。


168億ドル規模とされる米ビデオゲーム市場は、新しいゲーム不足に加え、パソコン機能を備えた携帯電話(スマートフォン)利用者が入手できる廉価なゲー ムの普及、さらにはソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)上でのゲームなどに押され気味で、頭打ちになっている模様。金融大手シティ・グループ のインターネット・リサーチ部門責任者のマーク・マハニー氏はニューヨーク・タイムズ紙に、「60㌦ものゲーム・ソフトを消費者が今後も買い続けてくれる かどうかは疑問。ゲーム機メーカーは、据え置きゲーム機に多機能を持たせることが急を要する課題となっている」と、分析している。


ちなみに、ウィー保有者がネットフリックスのブロードバンド配信を利用するためには、月額9ドルのネットフリックス郵送サービスの会員になることが必要。 同社から提供されるソフトをゲーム機にインストールすれば、テレビ番組や映画などが視聴できるようになる。ただし、プレイステーションやXbox360 で可能なHD(高精細度)番組は、ウィーでは対応できないという。


ウィーは独特の手持ち型コントロールで、体全体を使いゲームに参加できることなどから、米国での販売台数は2600万台、昨年暮れのクリスマス商戦でも300万台が売れる人気を博している。