児童ポルノか否か MTV新番組に話題集中


 米テレビ界は1月に入りミッド・シーズンに突入。その中で、最も話題を集めてい る番組といえば若者向けケーブル局MTVが放送を始めた「Skins(スキンズ)」だろう。もともと英テレビで放送された番組の米国版で、十代の少年少女 (ティーン)の日常生活を描写したドラマだ。1月17日に放送されたデビュー作は、MTVがターゲットにしている重要視聴者層(12~34歳)でいきなり 視聴者数326万人を獲得、新番組としては同局史上最高記録を樹立した。


ところが、放送後、番組のスポンサーが次々と降板を発表している。同番組にはティーンの性的描写や薬物摂取行為などがふんだんに登場するが、特に性的行動 を描写するシーンが、児童ポルノ取り締まり規則に抵触する可能性があると指摘されるほどのもので、青少年などに不向きなテレビ番組を監視している団体 (PTC)が、番組スポンサーに圧力をかけたり、連邦議会などに調査を呼びかけているからだ。出演者が15~19歳と未成年の俳優ぞろいなことも問題視さ れている。


MTV側は声明の中で、「番組はティーンが直面する現実的な問題を率直に描いたものだ」と主張。内容を変更する予定のないことを強調している。その一方 で、「すべての番組がすべての広告主に向いているわけではないことは承知している。MTVには様々な番組がある。(キャンセルをきめた)広告主とは、どん な番組が企業イメージにあっているのかなどを話し合っている最中だ」と説明している。


ちなみに、MTVの別の番組「ジャージー・ショア」が1年前にデビューした際も、内容がきわどいため、スポンサーの間で同様な動きが起こったことがある。 しかし、「視聴率が上昇し人気番組の座を射止めると、逃げたスポンサーが次々と戻ってきた」(業界筋)ため、スキンズについても同様な流れが起きることを 指摘する向きもある。ただ、スキンズの内容はさらにエスカレートする模様で、MTVでは急遽、問題が生じそうな描写をぼかして編集し直すなどの手段に出た (ニューヨーク・タイムズ紙)という情報も出ている。