CNN視聴率が03年イラク戦争以来の好調ぶり


米大統領選の民主党候補指名レースは、歴史的な大接戦となっていたが、史上初の女性大統領の座を目指していたヒラリー・クリントン上院議員が7日、撤退表明し、バラク・オバマ上議員が同党の事実上の候補になることが決まった。1月3日のアイオワ州党員集会を皮切りに約半年間つづいた予備選挙には米市民から高い関心が寄せられ、ニュース専門局は軒並み記録的な高視聴率を獲得している。

そんな中、CNNテレビがこの間獲得したプライムタイムの平均視聴者数が昨年同時期比50%増にも上る111万人と、2003年のイラク戦争開始報道以来最多の視聴者数を獲得したことが明らかになった。ニールセン社によると、CNNでは今年6月1日までに昨年同時期比平均36万8千人の視聴者増となったほか、ライバルFoxニュース・チャンネル(FNC)は19万人、MSNBCでは22万4千人と、軒並み視聴者数が増加している。

ところで、CNNにとって気になるのがニュース専門局万年3位のMSNBCの躍進ぶりだ。特に同局のトーク番組司会者、キース・オーバマン氏がここ数年トーク番組の王座に座っているFNCのビル・オライリー氏の番組視聴率を上回る勢いを見せていることだ。ちなみに、オーバマン氏はブッシュ政権に批判的なスタンス、オライリー氏は保守的な見解を示すことで知られている。

こうしたトーク番組の人気ぶりにCNNの国内担当社長ジョン・クライン氏は、「米市民のムードはリベラル派でも保守派でもなく、独立系のように思える。われわれは思想にとらわれない中立の立場から真のニュースを視聴者に提供していきたい」と述べ、CNNの独自色をアピールしている。CNNではこれまでウィークポイントとされていた米東部時間午後5時台の番組にNBCから移籍したベテラン女性キャスターキャンベル・ブラウン氏を起用、中立路線を明確に押しだした番組作りをしているが、視聴率が前年に比べ34%増加しているという。