動画CM売上が急上昇中

米国におけるインターネット上の動画CM売上が急上昇中だ。米調査会社「eMarketer」によると、今年の売上は7億7,500万㌦(約930億円)に達する見込みで、昨年比89%増と前年比成長率としては最高記録になる模様だ。

来年以降の売上も好調を持続しそうで、来年の売上は13億5,000万㌦(約1,620億円)、2011年には43億㌦(約5,160億円)にも達するとしている。eMarketerは、「既存メディアの広告とオンライン広告の境界線があいまいになってきた」としている。 ただオンライン広告全体に占める動画CMの今年の割合は3.6%。2011年も10%ほどに留まる模様。それでも、同社の上級アナリスト、ディビッド・ホールマン氏は報告書の中で、「テレビCM型の動画広告の割合は、全体に占める割合で見る限り大した存在に至っていないように見えるが、オンライン広告費売上には大きな貢献をしている」と述べている。

動画広告はウェブ・サイト運営会社にとっても新たな収入をもたらす魅力的なコンテンツになるという点では業界内にも異論のないところ。当面の課題は、「生活者にテレビ型のCMをインターネット上で視聴することに馴染んでもらうことだ」(ホールマン氏)。

なお、動画広告の普及に欠かせないブロードバンドの普及率だが米調査会社「ライクマン・リサーチ・グループ」によるとインターネット接続がある世帯は全体の約75%。その7割がブロードバンドにアクセスしているという。