動画視聴習慣に変化の兆し

米国で人気急上昇中のオンライン・ビデオ利用について新たな傾向を窺わせる調査結果が出た。米調査会社コムスコア(comScore)がこのほど発表した調査結果によると、今年4月におけるオンライン・ビデオ視聴本数は約110億本と、初めて100億本を越えた今年2月に比10%増だったが、一人当たりの利用時間は30%と大幅に伸びていることが分かった。

同調査によると、利用者が視聴する画像数は平均82本と昨年4月の63本から30%増となっているほか、一人当たりの利用時間は平均228分と昨年4月の168分から大幅に増えている。コムスコアの上級アナリスト、アンドリュー・リップスマン氏は、「動画視聴方法が、友人から紹介されたサイトを閲覧する受動型から、自らが見たいコンテンツを探し出して視聴する積極型に変化している証拠だ」と分析している。リップマン氏によれば、特に若者の間で、インターネット上でテレビ番組を検索する動きが顕著になっている。

動画サイトとしては相変わらずグーグル傘下の動画共用サイトYouTube(ユーチューブ)が圧倒的な人気を博しており、利用者全体の38%が利用していることも分かった。その他、米メディア企業大手ニューズ・コーポレーション傘下の「Foxインタラクティブ・メディア」の利用数が全体の5.1%で2位にランクされているほか、ヤフーの動画サイトが3.2%、マイクロソフトの動画サイトが2.4%で4位と続いている。

ネットワーク・テレビが運営する動画サイトとしてはABC.comが全体の0.9%と7位にランクされているほか、スポーツ専門局ESPNが運営する動画サイトが0.8%などと、ウォルト・ディズニー傘下のテレビ局に人気が集まっている。