北京五輪開会式視聴者数が過去最高


米国の五輪放送独占権を握るNBCテレビは8日、北京五輪の開会式を時差の関係で12時間後にプライムタイムで放送した。それにもかかわらず、視聴者数が米国外で行われた開会式としては過去最高記録を樹立した。NBCは当日、米東部時間午後8時から4時間半に渡り特別番組を編成し、開会式のすべてを全国向けに放送したが、米視聴率調査会社ニールセンの速報によると、視聴率21.5%(シェア37%)を記録、平均視聴者数も3,420万人を獲得、NBCにとって金メダル級の五輪放送スタートとなった。NBCでは開会式の模様を少なくとも6分間視聴した人の数は7,000万人に上ったとしている。

米国外で行われた開会式の視聴率は、2000年に開催されたシドニー五輪(視聴率16.2%、シェア29%)、2004年に開催されたアテネ五輪(同14.6%/27%)と下降線を辿っていたが、今回は両大会を大きく上回った。また、翌日9日のプライムタイムの五輪放送の平均視聴者数も2,410万人を獲得、4年前のアテネ五輪の2日目の平均視聴者数1,980万人を大きく上回り、NBCの首脳陣は祝杯気分に浸っている。中国への高い関心や、ネット上で伝わった開会式をめぐる様々な情報がかえって12時間後の収録番組に多くの視聴者を引き付けた格好となった。

今回の放送権に8億9,400万㌦(約983億円)を支払っているNBCにとって最大の関心事は、主なCM収入源となるプライムタイムで高い視聴率を獲得すること。今回は国際オリンピック委員会(IOC)との折衝で、米国で人気の競泳種目などが米国東海岸のプライムタイム(現地時間午前中)に合わせ組まれたことなどが功を奏している模様だ。

ところで、NBCのマーケット・リサーチ部門担当のアラン・ウォーツェル社長は、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルに、北京五輪2日間の視聴者の90%が競技の模様をテレビで視聴し、テレビとインターネットを併用して視聴した人が約10%、インターネットのみで視聴した人はわずか0.2%だったことを明らかにしている